【打撲の掘り起こし】操法
【体に溜まった衝撃を抜けば、頭から爽やかな風が吹く。】
一体何のことでしょうか?春から夏に季節が移る時に効果的とされる【打撲の掘り起こし】操法のことを書いてみようと思います。
なんだか不調が続く時、整体や健康法などを試してみてすこしは効果を感じるけれど、改善とまでは至ってないような印象を持たれる方は多いと思います。
そんな時は、過去に体に受けた打撲や衝撃が体内に残ってしまっていることが原因かもしれません。
現代医療が進み便利な機械やお薬が開発されて私たちの健康や生活の質を支えてくれています。そんな便利な医療が広く普及する以前に発展してきた手技療術のなかには、すこし変わった印象の手技があったりします。
今回ご紹介する「打撲の掘り起こし」もその中の一つです。
私の学んでいる「身体均整法」にもそのような手技がたくさん詰め込まれており、均整法の創設者「亀井 進」師範の研究の成果を発表されたものもあれば、均整法とともに他の手技療術を学んでいた会員から本会へ取り込まれたものもあり、とても使いきれないくらいの数の手技が存在します。
中には「ロシアの船員から伝わった手技」なんてものもあり、もはや少しくらいの事では驚きませんが、「打撲の掘り起こし」には少なからず驚かされることになりました。
その観察ポイントは腸骨や脊椎、頭蓋骨に腹部と手で触れて硬く感じたり左右に差があったりと分かりやすい場所ですが、その調整方法は独特で文章に書き起こすと必要以上にややこしくなってしまう印象があります。
たとえば調整を終えるタイミングは「爽やかな風が吹いたら」本日の調整は終わりなのです。
「???」と幾つもの疑問が頭に浮かんできます。
ひとまず、「考えるな。感じろ。」という有名な言葉に従い観察ポイントに手をかざすと「爽やかな風」という表現がぴったりな温度と空気感をしっかりと感じるのです。
これはいったい何なのでしょうか?
調整箇所の静脈に鬱血などがある場合、患部に血液が滞り皮膚表面に熱感を感じることがあります。調整をしていくとその鬱血が散るのでしょう。痛みや膨隆とともにサッと熱が引くのを感じることもあります。
その温度差が空気中に小さな対流でも作るのでしょうか?
いまのところ言葉で説明できるほどの理解はありませんが、それほど危険な操作でもないので気軽にお客様に伝え、了解をいただければ施術しています。そして「風」を感じれば効果も感じます。
施術が終わるとお客様に伝えることがあります。
「この調整を受けるとその日の就寝時に痛みで目が覚めることがあります。」
打撲・衝撃が奥から体表に浮かんでくる過程で痛みを追体験するようです。
その痛みの箇所は過去に打撲を受けた場所であることが多く、火傷の跡や骨折、脱臼した場所であることもあります。自分でも忘れていた箇所が痛むことも多く、「そういえばまさに昔に肉離れを起こした場所でした。」などの報告を受けることもあります。
この【打撲の掘り起こし】を行った後は通常の調整の効果が増すことがほとんどです。
いまいち調整の効果が出ない、長続きしない、などの印象と初夏が重なる時には通常の調整を一回お休みしてこちらの操法を施術させていただくことがあります。【急がば回れ】の考え方ですね。焦っても良いこと無いでしょうし。
今年の4月はこの操法を施術させていただく機会が多かったので、ここにご紹介させていただきました。本当にいろんな方法があるんだなぁと自分でも思いましたよ。これからも皆様のお役に立てるように勉強していこうと思います。
長々と書かせていただきましたが、読んでいただきありがとうございました。
あすなろ均整院にはいくつもの視点とアプローチ方法があります。他の方法を試してみて、改善しなかった症状にもきっと何か手だてが見つかります。
なかなか改善しない症状をお持ちの方は是非一度ご相談ください。